オンアート・タムロンサクンヴォン
昨年はコロナウイルス(COVID-19)の大流行により、タイ経済および世界経済が危機に直面し私たちの生活、福祉、社会が困難に陥り、生産、輸出入、ビジネス機会など産業のすべてのセクターに直接的な影響を及ぼしました。当社もこの危機の影響を受けております。

当社グループの中核的な収益は依然として自動車産業とサービス業から得られています。昨年初めから半ばにかけてCOVID-19の危機的状況により生産が減速し一時的に停止したことがありました。しかし、多くの自動車メーカーが生き残りをかけて適応し最近多くの新型車が市場に投入されたため2021年後半に生産が再開されました。

当社は本革事業のリスク分散を図る為、本革事業の製品のさらなる開発に重点を置いた戦略計画を策定することと致しました。そこで革靴市場、革製家具、犬用おやつ、農産品用プロテインへの参入を開始しました。今後、これらの非自動車事業の比率が高まり徐々に組織の中核的な収益を生み出すと見込んでおります。

靴用皮革事業は国内外ともに競争の激しい市場です。昨年当社は革靴市場に参入し、靴業界向けのクロムフリーレザーに焦点を当てました。その為、環境にやさしい素材を求める多くのお客さまのニーズにお応えしております。幸いお客様からも好評をいただいており注文も上昇傾向であります。今年は生産プロセスの標準化・効率化を進めるとともに生産能力を増強し国内外市場のニーズに応えていく予定です。

2020-21年のcovid-19をきっかけとした不況の中で回復し、大きな市場と言われている革製家具市場にイニシアティブをとっています。2021年の多くの時間を2022年からの革製家具の注文の増加を目指し、新しい顧客層へのアプローチに努めておりました。この活動により革製家具事業は今後の主力事業の1つとなりました。

また、産業廃棄物を最小限に留めるよう、製品の生産方法の考案にも力を入れています。なめし革産業の多くは有害廃棄物が大量に発生する産業であります、しかしながら、当社は皮なめし業界の環境保全におけるリーダーでありたいと考えており、廃棄物の削減と産業廃棄物の処理に向けた投資を続けてきました。その結果、漂白や農業などさまざまな局面で再利用できる産業廃棄物であった革の端材を原料としたプロテイン、犬用チュー(お菓子)の商品展開につながりました。2022年にはタイの農業分野での革新的な商品にて市場拡大を目指します。

 当社はお客様のニーズに継続的かつ迅速に対応できるよう、製品・サービスの開発に引き続き取り組んでいきます。先進的な技術を導入して技術力・製造能力を高め、同時にコストを削減し、また、グッドガバナンスの原則に厳格に従って当社のビジネスを行うことに注力し、社会と環境への責任を真摯に継続的に重視する組織でありたいと考えています。

最後に当社を代表してすべての後援者様、お客様、株主、従業員、金融機関、原材料や製品の生産者の皆様がいつも環境を大切に考え、持続可能な事業の成長を支え、それぞれの温かい家庭を築くために貢献してくださっていることに感謝いたします。

この危機を乗り越え、ともに成長して参りましょう。